「枯れ木に花咲くを驚くより、生木に花咲くを驚け」
江戸時代の哲学者、三浦梅園さんの言葉です。
私たちは普段、奇跡的な現象ばかりに心を奪われるが、
当たり前のように花が咲くことにこそ驚くべきだ、ということでしょう。
はっとさせられる言葉でした。
毎日朝がくること、季節が巡ること、今日も無事1日を終える事、
そんな当たり前の日常の中にこそ、奇跡が沢山詰まってるんだって事を
考えさせられました。
そのきっかけになったのが、
"100万人のキャンドルナイト"などをプロデュースしている
京都造形芸術大学教授、竹村真一さんの講演でした。
タイトルは「地球の中の人間、人間のなかの地球」
大抵の人はここで環境問題への警鐘かと思われるでしょう。
でも全くちがった視点の"環境"の話しでした。
「宇宙規模で見たときにこの地球がどれだけ稀で、
例外的に"好都合な真実"に満ちた星であるかが分かる」
宇宙研究が進むのと同時に、より強調されてきたのが
地球がいかに人類にとって奇跡的な星であるかということ。
その貴重な星の環境に大きな負荷を与えてしまったのは
けっして文明が発達しすぎたからではなく、
あまりにも人類が"未熟"すぎるためだと竹村さんは言っていました。
ちいさな存在でしかない人類が、
今一生懸命になってこの巨像である地球を守ろうとしている。
長い地球歴史のなかでほんの一瞬にすぎないけれど、
壊してしまったことに気づき始め、
考えられる知恵を使って、一生懸命にもとに戻そうとしている。
なんだ。がんばってるじゃん! って、初めてそう思えました。
環境問題を考えるとき、あれはダメ、これもダメ、それは我慢・・・
そうやって沢山のdon'tが増えて行く。
でも、もっとこの地球の存在の大きさに気づくとき、
人類の存在のちっぽけさを知るとき、
本当にこの地球を大切にしたいっていう思いが自然と溢れてくるんじゃないかな。
"このろくでもない、すばらしき世界"っていうあのCMのフレーズがよみがえる。